ごはんよりも寝るよりも、何よりも本が好きで3000冊以上は読んでいる大友です!
こちらの記事では、そんな大友が夢野久作の『ドグラ・マグラ』について、読者への直接インタビューで聞いた生の感想・レビューをお届けしています!
ドグラ・マグラは人気ですので、気になっている、あるいは読もうかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか?そんな時に読者の感想・レビューは参考になりますよね。
本記事では『ドグラ・マグラ』の以下項目について、かなり具体的かつ詳細な読者の声を掲載しています。
本記事で分かること
- ドグラ・マグラの大まかな内容・要約・あらすじ
- ドグラ・マグラの見どころや面白いと思うポイント・おすすめできる理由
- ドグラ・マグラの不満や改善点
- ドグラ・マグラのSNSでの評判
私は常々、自分の考えや見識に閉じていては世界が拡がらないと思っており、様々な方の書籍への感想や意見を参考にしながら、読む本を選んでいます。
しかし、Amazonや書評サイトのレビューって、文字数も少なくかなり浅い内容に留まってしまっている、と個人的には思っています。
もっとグッと深い読者の感想やレビューが読めたらいいのに・・・、と大友自身ずっと思っていました。そのように考える人は少なくないはず。
本記事では、そのような私の思いを踏まえて、ドグラ・マグラの深い感想・レビューをご紹介していきます。見どころ、おすすめの理由や不満まで聞いていて必ずや参考になると思いますのでぜひご覧ください!
Contents
ドグラ・マグラの読者さん(インタビュイー)紹介
最初に、感想レビューをお伺いした読者のプロフィールを簡単にご紹介します。
30代男性です。保険会社で派遣社員として週5で勤務しています。好きな本のジャンルは日本の古典文学や哲学書です。
よろしくお願いします。
ドグラ・マグラの概要
それでは早速ですが、ドグラ・マグラのおおまかな概要や要約・あらすじを教えてください。
記憶喪失になった精神病患者の少年が主人公です。
大学病院精神病科の治療室から物語は始まり、主人公が自分の記憶を探っていくという、一応は推理小説のような形態になっています。
親切な若林博士、天才肌の正木博士、そしてなぜか隣の病室に入れられている美少女のモヨ子などが関わり合いながら、主人公はある時『ドグラ・マグラ』という書物を発見します。
「ある精神病者が書いたものだ」という説明を受けながら主人公はそれを読み始めます。
話が進むにつれ手がかりは増えていくのに、逆に謎は深まるばかり…という不思議な小説です。
ドグラ・マグラの作者夢野久作プロフィール
著者である夢野久作さんについて簡単にご紹介します。
作者名は夢野久作です。1889年に生まれ、1936年に亡くなりました。
『ドグラ・マグラ』が刊行されたのは1935年なので、夢野久作は46歳頃でした。父親が杉山茂丸という人で、明治・大正・昭和にかけて福岡県を中心に活躍した政界の黒幕とも呼ばれる人です。
杉山茂丸と妻の遺体は本人達の希望により東京大学に献体され、骨格標本として並べて保存されました。夢野久作の作風には間違いなくこの個性的な父親の影響が強く反映されているはずです。
ドグラ・マグラの感想レビュー①:具体的な見どころ
ドグラ・マグラの具体的な見どころは何でしょうか?
まず「ブーン」という時計の音で始まる書き出しは有名で、最初から不穏な世界観に一気に引き込まれます。
また「ドンナ手順で」「頭のハタラキ」など、妙な所でカタカナを使う文体も不思議で気味の悪さを煽られてドキドキします。
また、刊行されたのが1935年なので正式には昭和ではあるのですが、大正ロマンっぽい世界観がありノスタルジックさも感じます。
精神病患者を病室に押し込めるべきではないという医者の信念の元に、精神病院に解放治療場というのが作られるのですが、そこの描写が混沌としていながら美しもあり、それでいてどこか寂しくもあり妙に印象に残っています。
これらの要素が大した意味もなく書き連ねられていると安っぽくなるのですが、これは10年以上の構想を練って極めて緻密に書かれているため、凄く説得力を持って迫ってきます。
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラの感想レビュー➁:面白さ・おすすめできる理由や読むメリット
なるほど。ではドグラ・マグラはどんなところが面白いと思いますか?またドグラ・マグラをおすすめできる理由や読んでよかった点は何でしょうか?
主人公の記憶を探るという、一応は推理小説の形態になっていますし、また「読んだ人は精神に異常をきたす」と言われ日本探偵小説三大奇書の一つとも言われているようなのですが、そのいずれもこの小説の本質とは異なると僕は思っています。
むしろ作者の心象風景を描き出したという意味では幻想的な私小説と言ってもいいのではないか、と僕は感じました。
「記憶喪失」という設定はつまり「自分の過去がわからない」という事です。
これは「自分の親が誰かもわからない」という事になります。
そしてそれは「親の愛情が感じられなかった」という風に置き換える事もできると思います。
夢野久作の父である杉山茂丸は政界の黒幕と呼ばれる人物であり、非常に変わった人でした。
本人としては日本の発展のために尽くしていたようですが、自分の後輩に「日本国のために必要な一つの犠牲として満州へ行け」と説得するような人物でもありました。
豪傑ともいえる父のもとに生まれた夢野久作は、おそらく幼少期の頃から親に対して不思議な感情を抱き続けていたのだと思います。
その感情をこういう極めて奇怪な小説で表現するしかなかったのだと思うと、あまりにいじらしくて胸が締め付けられる思いになります。
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ドグラ・マグラの感想レビュー③:不満に思うところや読むデメリット
逆に、ドグラ・マグラを読んで不満に思うことがや、改善を希望する点、読むデメリットがもしあれば教えてください。
大好きな小説なのであまり不満をあげたくはないですが、まず長くて量が多いです。
上・下巻に分かれているので、まず読み始めるのに気合いが必要になると思います。
途中「チャカポコ地獄」と呼ばれる長い章で挫折する人が多いようです。
しかしあそこで書かれている内容は他で主張されている内容と重複しているので、サラッと読み流すのがよいと思っています。
また「読んだ者は精神に異常をきたす」というよく言われる評判も、僕としては必ずしもこの小説に良いように作用していないのではないかとも思います。
作者本人のパーソナルな心象風景が描かれているにもかかわらず、そういったキャッチコピーだけが先行して面白がられてしまっている風潮があり、逆に読む人を狭めてしまっているようにも思います。
別の角度からの真っ当な評価が今後なされていくべきだと思っています。
ドグラ・マグラの感想レビュー④:こんな人に向いている!読んで欲しい!
ありがとうございます。最後に、ドグラ・マグラをどんな人におすすめしたいですか?
明治・昭和・大正の古典文学が好きな人や、ミステリアスな小説が好きな人にはやはりおすすめしやすいです。
また、福岡県が主な舞台なので、九州にゆかりがある方にも読んで欲しいと思います。
一番読んで欲しいのは、やはり夢野久作のように「自分の親の事を不思議に思っていて、親の愛情に疑問を感じている人」です。
「自分の親の事が好きになれない人」にもおすすめできますが、もう少し特定すると「自分の親の事を嫌いにはなれないんだけど、かといってどう受け止めていいのかわからずに迷子のような気分が生まれた時からずっと続いている人」なんかはドンピシャにハマると思っています。
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ドグラ・マグラの評判口コミ
深堀りインタビューで伺ったドグラ・マグラの感想レビューをご紹介しました。
加えて、ドグラ・マグラのSNS上での評判を集めましたので宜しければご覧ください。
まとめ:ドグラ・マグラはおすすめなのでぜひ読んで欲しい作品!
夢野久作のドグラ・マグラについて、読者へのインタビューを通じて実際に読んだ深い感想・レビューや、ネット上での評判をご紹介しました。
『ドグラ・マグラ』面白そうですよね。興味がある、気になる方はぜひチェックしてみて下さい!
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