ごはんよりも寝るよりも、何よりも本が好きで3000冊以上は読んでいる大友です!
こちらの記事では、そんな大友がアルトゥル・ショーペンハウアーの『幸福について―人生論』について、読者への直接インタビューで聞いた生の感想・レビューをお届けしています!
幸福について―人生論が、気になっている、あるいは読もうかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか?そんな時に読者の感想・レビューは参考になりますよね。
本記事では『幸福について―人生論』の以下項目について、かなり具体的かつ詳細な読者の声を掲載しています。
本記事で分かること
- 幸福について―人生論の大まかな内容・要約・あらすじ
- 幸福について―人生論の見どころや面白いと思うポイント・おすすめできる理由
- 幸福について―人生論の不満や改善点
- 幸福について―人生論のSNSでの評判
私は常々、自分の考えや見識に閉じていては世界が拡がらないと思っており、様々な方の書籍への感想や意見を参考にしながら、読む本を選んでいます。
しかし、Amazonや書評サイトのレビューって、文字数も少なくかなり浅い内容に留まってしまっている、と個人的には思っています。
もっとグッと深い読者の感想やレビューが読めたらいいのに・・・、と大友自身ずっと思っていました。そのように考える人は少なくないはず。
本記事では、そのような私の思いを踏まえて、幸福について―人生論の深い感想・レビューをご紹介していきます。見どころ、おすすめの理由や不満まで聞いていて必ずや参考になると思いますのでぜひご覧ください!
Contents
幸福について―人生論の読者さん(インタビュイー)紹介
最初に、感想レビューをお伺いした読者のプロフィールを簡単にご紹介します。
63歳の男性、自営業を営んでいます。
好きな本のジャンルは英米文学書、哲学書、各種歴史研究書、江戸戯作本、コミックなどです。
よろしくお願いします。
幸福について―人生論の概要
それでは早速ですが、幸福について―人生論のおおまかな概要や要約・あらすじを教えてください。
200年以上の前の哲学者、ショーペンハウアーが書き残した「処世術」を考察した本です。
一見、哲学書のような体裁ですが内容的には人間の心と欲望に対する深い洞察と過酷な現実を見極め、よりよく生きるためには、どうすべきかを平易に述べた一冊です。
前半は論文形式、後半は金言集の形式をとっていますので、後半部分は適当に開いたページを読んでも構いません。
ただ単に、建前論として語られる道徳論とは全くの正反対で現実という物を厳しい目で観察した結果、書かれた本なので非常に実用的でもあります。
幸福について―人生論の作者アルトゥル・ショーペンハウアープロフィール
著者であるアルトゥル・ショーペンハウアーさんについて簡単にご紹介します。
アルトゥール・ショーペンハウアーは1788年生まれの哲学者で、富裕な商人の家に生まれました。
12歳から16歳にかけて父親の商用旅行に同行し上流階級の人々と交流し、その暮らしぶりを見る一方、社会の底辺に暮らす人々の悲惨な有様と苦しい生活ぶりにも目が向けられ激しい衝撃を受けました。
そして18歳の時に父親が俘虜の死を遂げます。
アルトゥルの異常なまでの聡明さに気づいていた母親は彼に学問の道に進むことを進め、当初はゲッティンゲン大学の医学部で勉強をしていましたが、段々と哲学に傾倒し25歳で「根拠の原理の四つの根について」という論文でイエナ大学より博士号を授与されます。
この論文は同時代の文豪にして哲学者であったゲーテから高い評価を受け、以降、二人は親交を結ぶようになります。
しかし当時はヘーゲル哲学が主流であり、ショーペンハウアーの厭世観的思想は一般には理解されず、彼の論文は商業的には全く 成功せず、段々と憂愁が深まって行きました。
45歳でフランクフルトで隠遁生活に入り論文執筆に専念し始めます。
72歳で死去します。
一部の人達からは絶賛を浴びるも一般的には理解されることはありませんでした。
しかし彼の残した文書は、200年以上を経た現在でも色褪せることなく読み継がれています。
幸福について―人生論の感想レビュー①:具体的な見どころ
幸福について―人生論の具体的な見どころは何でしょうか?
本書は題名が示す通り「幸福」という概念についてのショーペンハウアーの意見をまとめたものです。
いきなり冒頭で「幸福など存在しない。だから本書では、せいぜい少しでもましな人生を送るための処世術、とでもいうものを述べるにとどまるであろう」と全体の方向性が示されてしまいます。
それからショーペンハウアーの驚くべき人間観察力と洞察力に基づいた、さまざまな見解が述べられていきます。
そこには一切の建前論はなく、それまで自分でも気が付いていなかった自分の姿が「なるほど」と納得するしかない説得力で語られていきます。
この容赦ない断言と、それを証拠だてる根拠の確かさ、それも「あまりにも赤裸々な確かさ」がショーペンハウアーの真骨頂でもあります。
この本を真剣に読む人は、それまで自分でも気が付かなかった自分を発見することになるでしょう。
一例として「人は幸福に鈍感であり不幸に敏感である」と述べられている部分があります。
例えば現在、パレスチナのガザ地区で戦争が起きており「いつロケット弾が飛んでくるか分からない」という命の危険にさらされている人達や家を破壊され家族を殺され絶望の淵に立たされている人もいます。
そういった人達から見たら日本の大多数の人達の暮らしは「とても幸福」に見えるでしょう。
ですが、私達はそれをあえて幸福と感じることはありません。
また事故で右腕を失った人は、それを不幸と感じますが、そうでない五体満足の人は五体満足である事を幸福だとは感じません。
「そんなことは当たり前だろう」という方は、本書を読む意味はないでしょう。
ですが「そういえば、そうだな」と思った方は本書を読む意味があります。
ショーペンハウアーは本書で人間心理の本質に迫り、そこから導き出される「人間というもの」を容赦なく描いてみせるのです。
ちょっと面白いところでは「私は哲学によって利益を得た事はない。けれど哲学のおかげで多くの無駄を省くことができた」という一節があります。
読んだときには「ふーん」としか思わなかった、この一節が年を取れば取るほど「無駄を省くことの重要さ」が身に染みて理解でき、今では、「これこそが人生をうまく生きるコツ」とすら思えるほどです。
そういった意味ではまさに冒頭に述べられた通り「せいぜい少しでもましな人生を送るための処世術」なのですが、その適格で意味深長な指摘を知る人と知らない人では「人生の過ごし方」が大きく変わるでしょう。
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幸福について―人生論
幸福について―人生論の感想レビュー➁:面白さ・おすすめできる理由や読むメリット
なるほど。では幸福について―人生論はどんなところが面白いと思いますか?また幸福について―人生論をおすすめできる理由や読んでよかった点は何でしょうか?
人は簡単に「幸せな人生」とか「お幸せに」などと言いますが、そもそも「幸福」とは、どんな状態を指すのでしょうか。
何となく「自分の欲望」を叶えることが幸福の基準になってしまっているようなところが現代ではあります。
では「自分の欲望」を叶えれば本当に幸福は訪れるのでしょうか。
むしろ「自分の欲望を満たす」ことで大きな負債を背負ってしまうことになるのが現実です。
しかも自分の欲望を満たしたことで得られる喜びは「その時一瞬」だけで、それはすぐに消えてしまう刹那的なものでしかありません。
それを知る人は「自分の欲望」を抑えるメリットを知っているので、負債を背負う、という無駄を省くことができるのです。
そもそも本書を真剣に読まれた方は人生に対して大きな要求をしなくなるでしょう。
実は現在の自分は客観的に見たら「十分に幸福」なのです。
ただ、それに気が付いてないだけ、ということがほとんどなのです。
そして、それに気づくと気づかないでは大違いであり、残された人生を苦しんで過ごすか、無難に乗り切れるかの境目ともなる、というのが本書を読むと、よく分かります。
日本という国は世界でも有数の「恵まれた国」であり、私達、日本人は戦争や圧制、差別、飢餓、などとは無縁で暮らして来られた世界でも稀な国です。
それだけ、より一層「幸福に鈍感」になっているのではないかと思われます。
ですので特に日本人は本書を読む意味があると考えます。
もう1つ面白い一節をご紹介すると「時間の前借りをしてはならない。時間というのはユダヤの強欲な金貸しよりも強欲で非情な取り立て屋だからだ。」
これは住宅ローンを組んでいる方にとっては「耳の痛い言葉」ではないでしょうか。
また「人生は楽しむためにある、などと勘違いしている愚か者が実に多い。人生とは本来、始末をして決着をつけるべきものなのである。」
この一節も振り返ってみれば「その通り」と肯定されるお年寄りも多いのではないでしょうか。
つい、他人の意見を根拠なく信じ込んでしまいがちな思慮の浅い時代に得た価値観を、ずっとそのまま維持して大人になる方が多いなか、この本は「あなたの価値観を根底から覆す」かもしれません。
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幸福について―人生論の感想レビュー③:不満に思うところや読むデメリット
逆に、幸福について―人生論を読んで不満に思うことがや、改善を希望する点、読むデメリットがもしあれば教えてください。
この本の最大の改善点は「少々、読みにくい」という点であると思います。
しかし、なにしろ200年以上も前に書かれたドイツ語の本なので、致し方ない部分もあると思います。
しかし新潮文庫から出ている 橋本文夫さんの翻訳版は相当に読みやすいです。
それでも現代文を読むような感じで読むには、さすがに無理な部分もあり、分かりにくい表現になってしまっている部分があるのは否めません。
また比喩として使われている内容が当時の物であり現在とはなっては「?」という部分も多少あります。
これは時代が古いために致し方ないことと諦めるしかありません。
それでも、そんなデメリットは全体からしてみたら「取るに足らないもの」と言えると思います。
そもそも、こういった古典を読む場合には「じっくり取り組む覚悟」が必要になるので、その点は心得ておいて頂ければと思います。
またショーペンハウアーの癖で「天才」という言葉が良く出てきます。
これは多分に自身の才気に自信を持っているからこそ出て来る言葉だと思われますが、少々、「鼻につく」感は否めません。
幸福について―人生論の感想レビュー④:こんな人に向いている!読んで欲しい!
ありがとうございます。最後に、幸福について―人生論をどんな人におすすめしたいですか?
これから社会に出ていく若い人達には是非、一読をお勧めします。
先の住宅ローンの話ではありませんが「やってしまってからでは遅い」からです。
世の中の仕組みというのは学校時代に先生や親が教えてくれた一般的な価値観では、とても計れないような理不尽があふれている場所です。
自分が「正しい」と思ったことが否定されたり、「間違っている」と思うことが正々堂々と行われたりしているのです。
それを目の当たりにした時に、それまで持っていた価値観が崩れ「あらぬ方向」に走ってしまう人は結構、多く、それは自身の人生を、より悪い方向に引っ張っていってしまうからです。
人は「人生の処し方」を学んでから生まれてくるわけではありません。
ですので「生まれてから人生の処し方」をどこかで学ぶ必要があるのです。
自分の経験範囲内だけで得た価値観では、到底、長い人生には対処できないのが普通です。
この本はきっとあなたに、どう生きれば良いのかを教えてくれるでしょう。
ネガティブな内容も多いので、若い時には「それじゃぁなぁ」と思われるかもしれません。
しかし経験を経れば経るほど「実はそれが最良策」であったことに気づかれると思います。
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幸福について―人生論の評判口コミ
深堀りインタビューで伺った幸福について―人生論の感想レビューをご紹介しました。
加えて、幸福について―人生論のSNS上での評判を集めましたので宜しければご覧ください。
まとめ:幸福について―人生論はおすすめなのでぜひ読んで欲しい作品!
アルトゥル・ショーペンハウアーの幸福について―人生論について、読者へのインタビューを通じて実際に読んだ深い感想・レビューや、ネット上での評判をご紹介しました。
『幸福について―人生論』面白そうですよね。興味がある、気になる方はぜひチェックしてみて下さい!
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