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『昭和史発掘 全13巻』(松本清張)の感想レビュー評判まとめ!面白さ・おすすめ理由・不満ポイント

ごはんよりも寝るよりも、何よりも本が好きで3000冊以上は読んでいる大友です!

こちらの記事では、そんな大友が松本清張の『昭和史発掘 全13巻』について、読者への直接インタビューで聞いた生の感想・レビューをお届けしています!

大友

昭和史発掘 全13巻が、気になっている、あるいは読もうかどうか迷っている方も多いのではないでしょうか?そんな時に読者の感想・レビューは参考になりますよね。

本記事では『昭和史発掘 全13巻』の以下項目について、かなり具体的かつ詳細な読者の声を掲載しています。

本記事で分かること

  • 昭和史発掘 全13巻の大まかな内容・要約・あらすじ
  • 昭和史発掘 全13巻の見どころや面白いと思うポイント・おすすめできる理由
  • 昭和史発掘 全13巻の不満や改善点
  • 昭和史発掘 全13巻のSNSでの評判

私は常々、自分の考えや見識に閉じていては世界が拡がらないと思っており、様々な方の書籍への感想や意見を参考にしながら、読む本を選んでいます。

しかし、Amazonや書評サイトのレビューって、文字数も少なくかなり浅い内容に留まってしまっている、と個人的には思っています。

もっとグッと深い読者の感想やレビューが読めたらいいのに・・・、と大友自身ずっと思っていました。そのように考える人は少なくないはず。

大友

本記事では、そのような私の思いを踏まえて、昭和史発掘 全13巻の深い感想・レビューをご紹介していきます。見どころ、おすすめの理由や不満まで聞いていて必ずや参考になると思いますのでぜひご覧ください!

Contents

昭和史発掘 全13巻の読者さん(インタビュイー)紹介

大友

最初に、感想レビューをお伺いした読者のプロフィールを簡単にご紹介します。

読者さん

63歳の男性、自営業を営んでいます。

現役時代はシステムエンジニアを35年間やっていました。

人文科学、自然科学、歴史が好きで色々と読み漁っています。

よろしくお願いします。

昭和史発掘 全13巻の概要

大友

それでは早速ですが、昭和史発掘 全13巻のおおまかな概要や要約・あらすじを教えてください。

読者さん

昭和史発掘は全13巻という大部ですが昭和初期から2.2.6事件に至るまでの色々な事件、トピックスを詳細に調べた松本清張さんの力作です。

現在の感覚では昭和という時代は平成の前の時代であり、戦後の昭和イメージが強いですが、実は昭和という時代の前半期は超国家主義が台頭した、今では考えられない雰囲気の時代であったのです。

それは陸軍、海軍という物があった時代であり、徴兵制度があった時代でもあります。

そんな時代が「ついこの間」まであったという事実を知るのに最適な本です。

この本には事件だけでなく「芥川龍之介の死」など時代のトピックスと言える内容も書かれています。

この本の「芥川龍之介の死」を読むと、きっと芥川龍之介という作家を見る目が変わると思います。

また今では完全に忘れ去られている「天皇機関説」についても書かれています。

こういった物の積み重ねが少しづつ時代の雰囲気を醸成し「戦争やむなし」と国民が考え始めたであろう雰囲気が伝わってきて、もし、これが現代に起こった場合、今の日本国民は当時と同じようにならない、とは言えないように思え、ちょっとぞっとします。

この全集の後半は2.2.6事件に大部分がさかれますが、その詳細な記録は平和な時代に生きる私達には縁がないものではなく、一歩間違えれば現代でも同じことが起きてしまうのではないかと、思ってしまいます。

遠い過去の話ではなく「ごく最近の過去」であるだけに、そんな短い期間で人間は大きく変われないだろうからです。

平和な時代に生きていられる幸運な私達であるからこそ、少し以前に「こんなことが本当にあったんだ」という事を知る意味は大きいと思います。

昭和史発掘 全13巻の作者松本清張プロフィール

大友

著者である松本清張さんについて簡単にご紹介します。

作者である松本清張さんは、44歳で作家デビューという遅咲きの方で、福岡県小倉市の貧しい家庭の一人っ子として生まれました。

世間の最下層とも言える仕事を点々としていましたが、やがて印刷工として一人前になり出版関係の会社に入り最終的には朝日新聞に入りましたが給料は安く家族8人を支える事はできず、数々のアルバイトをしながら日々を送っていました。

しかし、文学、歴史に対する興味は強く、また、その論理的思考力の鋭さと諦めない粘り強さは他を寄せ付けないものがあったそうです。

しかし生活資金を得るために応募した懸賞小説に処女作「西郷札」が3等に入り、同年の直木賞候補ともなり作家としての第一歩を踏み出すことが出来ました。

そして「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。

その後、精力的な作家活動に入ります。

その活動領域は文学という枠にとどまらず歴史に対する深い関心から、数々の歴史の記録や考察を試み、その作業は「本物の歴史家を遥かに超えた作業」とまで言われました。

また作家としては「ゼロの焦点」「点と線」「砂の器」などの衝撃的な意欲作を発表し、もはや「作家」ではなく「日本を代表する社会派作家」と呼ばれるようになりました。

清張さんは「私は他の人より遅く世に出た分、書かねばならない事が沢山ある」といい、その執筆量は他の作家を圧倒する量と質を誇りました。

骨太でありながら繊細な面も併せ持つスケールの大きな方でしたが、1992年に82歳で逝去されました。

しかし清張さんの視点は最後まで社会の下層階級にいる人達からの物であり決して「上から目線」になることはありませんでした。

昭和史発掘 全13巻感想レビュー①:具体的な見どころ

大友

昭和史発掘 全13巻の具体的な見どころは何でしょうか?

読者さん

昭和史発掘全13巻は前半は単発的な事件やトピックスが扱われ、後半は2.2.6事件についての詳細な経過説明と考察に費やされています。

前半の事件やトピックスの中には皆さんが知っている物も、知らない物もあると思いますが「全て本当にあった事実」です。

特に驚愕させられるのは当時の特高警察と共産党の関係で通称、スパイMと呼ばれる人物の存在には「本当か?」と思われるかもしれません。

清張さんは、執筆時に手を尽くしてスパイMの正体を調査をしましたが残念ながら「不正確な情報」しか入らず当書ではスパイMの正体にまでは手が届かず「本当の名前」を突き止めたまでにとどまりました。

清張さんの死後、スパイMの正体を沢山のジャーナリストが追いかけ、遂に「スパイM」という本が出版され、その正体と、その人物が送った生涯が暴かれました。

それもこれも清張さんが昭和史発掘でスパイMを取り上げなかったら世に知られる事は無かったでしょう。

いかに昭和の前半期は「現代に生きる私達が知っているはずの昭和」とは違うものであったかがよく分かります。

また後半の2.2.6事件についての長大な調査と考察も驚くべきもので、実は2.2.6時間の精神的支柱であった北一輝が三井財閥から資金援助を受けていたという事実を知っている人は、この本を読んだ人だけでしょう。

三井財閥の番頭であった人物は北一輝がクーデーターを起こすことを予知し、その対象メンバーから三井財閥を外してもらうために金を渡していたのです。

そして実際にクーデターを起こした兵隊たちが、どんな状況下で、どんな気持ちで、そんな行動を起こすに至ったかが詳細に語られていきます。

2.2.6事件に先立って起こり、2.2.6事件の導火線ともなった相沢中佐が永井中将を白昼堂々と陸軍省内で斬殺した相沢事件でも銃殺刑に処させられる直前の相沢中佐の様子、残した遺書などが全文掲載され、読む者を圧倒します。

これが決して創作ではなく「全て本当に過去にあった、ありのままのの事実」なのです。

この全集を残してくれた松本清張という作家に感謝せずにはいられません。

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昭和史発掘 全13巻

昭和史発掘 全13巻感想レビュー➁:面白さ・おすすめできる理由や読むメリット

大友

なるほど。では昭和史発掘 全13巻はどんなところが面白いと思いますか?また昭和史発掘 全13巻をおすすめできる理由や読んでよかった点は何でしょうか?

読者さん

今は平和な日本ですが、この全集を読むと「つい、少し前までの日本」は私達が漠然と想像するようなものではなかったことが分かります。

そこに描かれている事実は数々の人間の壮絶な生き様であり、その生き様は現在となんと違うことかと驚かれるでしょう。

しかし、彼らと同じ状況に置かれれば、私達もきっと「同じような生き様」を歩むことになるのではないか、と思います。

そして、多分、現在でもあっても私達の知らない所、気づかない所で、この全集に書かれているのと同じような事実は進行しつつあるのかもしれません。

人間というのは「ある状況」に置かれると、どうなってしまうのか、がこの全集を読むと、ひしひしと感じられてきます

そして、それは決して「過去のもの」でも「他人事」でもなく、現在でも十分に自分の身に起こり得るものである事を知っておいて損はありません。

この全集には英雄はでてきません

。逆に「醜い人物」「卑怯な人物」「悪人」ばかり出てきます。

しかし、最も問題なのは、そういった人物であっても「状況がそうさせた」のであって、最初から悪人であった訳では無く、むしろ「自分は正しい」と信じていたらしいことです。

何が悪で、何が善かは「状況による」ということでしょうか。

小林多喜二を拷問死させた特攻警察の人達も最初は「自分達は正義だ」と信じていたようです。

しかし段々とサディスティックな雰囲気が支配するようになり拷問者も集団心理的に狂人化していったとのこと。

それは現在の「いじめ問題」にも一脈、通じる物があるような気がします。

現在の日本の状況を見ていると、いつの日か「令和史発掘」という全集が書かれるのではないか、と懸念せざるを得ません。

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昭和史発掘 全13巻感想レビュー③:不満に思うところや読むデメリット

大友

逆に、昭和史発掘 全13巻を読んで不満に思うことがや、改善を希望する点、読むデメリットがもしあれば教えてください。

読者さん

内容上、やむを得ないのですが全13巻というのは長大すぎて読むのが大変だ、というのは否めません。

また内容が濃密なので真剣に向き合って読まないと理解できない部分も多いです。

また内容的に「興味を持たれる方」と「そうでない方」に極端に分れるであろう本でもあります。

ですので全ての方に読んで頂きたいとは言えないのですが「何事につけ深い理解をすることが好き」という方にはお勧めできます。

もし全体を俯瞰解説してくれるようなガイドブックがあれば、とも思うのですが、それは無いものねだりです。

まず第1巻だけ買って読んでみることをお勧めします。

向き、不向きの激しい内容ですので、それで判断されるのが賢明かと思います。

また後半の2.2.6事件の長大な考察部分は「さすがについていけない」という方も多いので前半部分まででも十分かと思います。

正直なところ後半部分は相当な松本清張ファンでも「ついていけない」という方がいらっしゃるので途中読了もありか、と思います。

昭和史発掘 全13巻感想レビュー④:こんな人に向いている!読んで欲しい!

大友

ありがとうございます。最後に、昭和史発掘 全13巻をどんな人におすすめしたいですか?

読者さん

この全集は近代史に興味のある方には必読の書です。

学校の歴史の教科書では決して教えてくれない真実の人間の生き様がここには描かれています。

事実は小説よりも奇なり、とは言いますが、この全集ほど、それを納得させてくれる本は無いでしょう。

過去を知ることは「人間の行い」を知ることです。

人間はそんなに簡単には進歩しないからです。

ですので、そういった「過去に人間が行ってきた行為」に興味がある方には絶対お勧めの本です。

ここには綺麗事はありません。

赤裸々な真実だけがあります。

人間という動物を本当に理解するためには歴史、それも「赤裸々な偽りのない歴史」に学ぶべきであり、この本は、まさにその要求に合致するものと言えます。

どのような動機であれ、「人間という動物」を少しでも深く理解したい人にも絶好の本と言えます。

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昭和史発掘 全13巻の評判口コミ

深堀りインタビューで伺った昭和史発掘 全13巻の感想レビューをご紹介しました。

加えて、昭和史発掘 全13巻のSNS上での評判を集めましたので宜しければご覧ください。

https://twitter.com/isibutai/status/974950497369997312

まとめ:昭和史発掘 全13巻はおすすめなのでぜひ読んで欲しい作品!

松本清張の昭和史発掘 全13巻について、読者へのインタビューを通じて実際に読んだ深い感想・レビューや、ネット上での評判をご紹介しました。

大友

昭和史発掘 全13巻』面白そうですよね。興味がある、気になる方はぜひチェックしてみて下さい!

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